あなたの家は大丈夫?~シロアリ被害を見逃さないホームインスペクション~

日本は木造住宅が多い国です。

林野庁のデータによると、令和3年時点で新設住宅着工戸数に占める木造住宅の割合は、全体の51%を占め、特に一戸建て住宅に限定すると、実に91%を占めると言われています。

そして、その木造住宅の”天敵”がシロアリです。

シロアリの種類

公益社団法人日本しろあり対策協会によると、日本には22種類のシロアリが生息していますが、建物に被害を及ぼす主な種類は「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類です。

ヤマトシロアリは北海道北部を除く全国に分布し、湿気を好み床下などの下部構造を中心に加害します。

一方イエシロアリは温暖な地域に分布し、建物内部に巣をつくって、乾燥した場所でも水を運びながら加害を広げるため、被害は家全体に及ぶことがあります。

シロアリの被害がでやすい場所

当社が中古住宅を調査する際に、特に注意して確認する個所は次の9つです。

 

1.床下

シロアリは光や乾燥が苦手なので、地中から暗く湿気のある床下の基礎や束石、束柱に蟻道をつくり侵入してきます。
そのため知らないうちに被害が進行していることも多く、床下はもっとも注意すべき個所です。

 

2.陽が当たらない外部の基礎

床下だけではなく、外部においても陽が当たらず湿気のある場所であれば、基礎に蟻道をつくりシロアリが侵入することがあります。
特に、基礎の近くに植木鉢や木材・廃材などを放置している場合、注意が必要です。

 

3.水回り(特に浴室)

水回りは湿気が多いためシロアリが好む箇所ですが、特に浴室は要注意です。
浴室入口周りの建具枠に小さな穴がいくつか見られれば、シロアリに加害されている可能性があります。

特に在来工法の浴室のタイルのひび割れ、目地の亀裂や窓回りなどは水が浸入しやすく、シロアリが好みますので要注意です。

 

4.玄関、勝手口

束石を設けずに地面へ直接立てられた玄関ポーチ柱は、内部がシロアリに加害されやすい構造です。
さらに、玄関や勝手口のサッシ枠に小さな穴が複数ある場合も、シロアリ被害が疑われます。

さらに、古い住宅は框部分の立ち上がりにコンクリートブロックを使用していることも多く、コンクリートブロックの穴からシロアリが侵入し框部分を加害していることもあります。

 

5.和室

畳はシロアリがよく蟻道をつくりますので、畳を上げてみて、裏側に蟻道がないか確認する必要があります。

 

6.雨漏り個所

雨漏りをしている個所があれば、そこから雨水が浸入し木材を湿らせ、シロアリが加害しやすくなります。
雨漏り個所の下にある柱や梁、筋交い、間柱などは要注意です。

 

7.壁が膨らんでいる個所

イエシロアリの場合、家の中にも巣をつくります。
壁が不自然に膨らんでいる場合、壁の中にイエシロアリの巣ができている可能性があります。

 

8.天井裏

イエシロアリは自分で水分を運び、途中で巣をつくりながら加害していくため、比較的地面から離れた高さにまで被害が及びます。
天井裏にイエシロアリの巣ができていることも決して珍しくはありません。

 

9.建具の建て付けが悪い個所

建具の建て付けが悪く閉まらない、または閉めても隙間が空くなどの現象がある場合、建物自体の歪みや傾きの可能性もありますが、土台をシロアリに加害され床が下がっている可能性もあります。

シロアリ被害がもたらすリスク

土台や柱、梁など建物を支える構造部分が加害されると、強度が著しく低下し、大規模な補修や場合によっては解体が必要となることもあります。

しかも、被害は目に見えない部分で進行するため、外観から判断するのは非常に困難です。

シロアリ被害は「物理的瑕疵(かし)」にあたり、売却時に被害を告知しなければ、契約不適合責任を問われる可能性があります。

つまり、知らずに売却してしまうと「補修費用の請求」や「契約解除」に発展することもあり得るのです。

そこで重要なのが「ホームインスペクション(住宅診断)」

こうしたリスクを未然に防ぐために有効なのが「ホームインスペクション(住宅診断)」です。

ホームインスペクションとは、住宅の状態を専門家が中立な立場で調査し、劣化や不具合を「見える化」する“住まいの健康診断”です。

特に中古住宅では、シロアリ被害や雨漏り、構造上の問題を早期に発見する手段として非常に有効です。

診断では、床下・天井裏・外壁・水回りなどを調べ、目視可能な範囲でシロアリ被害の有無も確認します。

報告書には写真や指摘事項が整理されるため、「どの部分にどんなリスクがあるのか」が一目でわかります。

この結果をもとに、売主は補修や防蟻処理などの対策を事前に検討でき、買主にとっても安心して購入を判断できる材料になります。

特に売却前に診断を受けることで、買主へ事前にリスクを開示することができ、トラブルを未然に防ぐことができます。

つまり、ホームインスペクションは「シロアリ被害を見逃さない」だけでなく、「取引のトラブルを防ぐ」ための重要なステップでもあります。

まとめ

シロアリ被害は気づかぬうちに進行し、住宅の資産価値を大きく損ねるおそれがあります。

しかし、ホームインスペクションを活用すれば、見えない不安を可視化し、安心して売却や活用ができるようになります。

また、相続した空き家や築年数の経った住宅など、「状態がわからない」「修繕が必要か判断できない」といった不安を抱える方にもおすすめです。

中古住宅を安心して売買するため、または空き家を活用するための第一歩として、ホームインスペクションをぜひご検討ください。

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